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漫画感想『金の国 水の国』 岩本ナオ(著)

Comic Review

書籍情報

作品名:金の国 水の国
巻数:単巻
著者:山本ナオ
出版社:小学館
発売日:2016/7/8

肌に合わない(感情移入できない)キャラクターが、全くおらず大変面白かったです。私は主人公のナランバヤルに惚れました(笑)ごうごうと燃え上がる焚き火ではなく、穏やかな揺めきでじわじわと暖かい暖炉の炎のようなお話。

バイプレーヤーが秀逸

バイプレーヤー(この単語って和製英語なんですね!)達が秀逸だと思います。

特に第一王女のお姉様であるレオポルディーネ!
意地悪で怖い鉄の女王様気質かと思いきや、自分の生まれた国をとても愛し、守りたいと思っている頭の良い強い女性でした。ごてごてに着飾っていた(頭飾り)のは、彼女の国を守らなくてはという決意が現れた鎧なのでしょうか。最後は決意の鎧を外し、髪をなびかせ、思い出の船でサラディーンと寄り添っている姿が幸せそうで良かったです。

そうそう。切れ者という点では、左大臣にして俳優、更には王女様たちの愛人のサラディーン様は主人公よりも一枚上手でしょう。主人公は頭の回転が早いけれど切れ者とはちょっと違う思っています。
初めて出会うお茶会で主人公を偽の夫役とあっさりと見抜いていましたし、お飾りのように見えても自分の派閥(王女様派)は会議で人々を観察して大体把握していたり、暗殺者のライララの気配を感じることができるなんて普通じゃない!
物語の随所で王女様たち(ヒロインを除く数多い王女様たちみんな)の愛人と評されていたし、本人も認めていますが最愛は紛うことなく第一王女様。彼女のための覚悟が並々ならぬものだったのかなぁと思います。

普通じゃないといえば、ライララ。頭からヴェールを被って瞳しか分からない性別不明(多分、女性)な暗殺者。
ただし民衆の前にもその姿を晒すし、王宮では彼女の名前を皆口にするという暗殺者っぽくないあたり、もう普通じゃない。そんな彼女が主人公がA国を『金の国』と褒め讃えた時の嬉しそうな瞳が印象的でした。後に第1王女が幼い頃の思い出を回想した際に『金の国』と話しており、その傍にライララも控えていたと思われる(名前が出てくる)のでそれを思い出しての表情かと思うとあぁ主人公がナランバヤルでよかったなぁと思います。

 

実は悪役不在

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どの話もそうですが、自分の味方は裏を返せば相手の敵です。勧善懲悪のお話は分かりやすいし、だからこそすかっとします。私もかなり好きなお話のジャンルです。特に漫画等では、その1面にのみフォーカスして描いているものが多いですが、この物語は多面的に捉えているなぁと思います。

 

そもそもお姉様たちは悪役ではない

ヒロインのサーヤは妾の末娘(第93王女)という設定のため、その出自によるありがちなイビりは第1王女を筆頭とするお姉様方から受けている様子はありません。ヒロインがおっとりしていたため歯牙にもかけていない所はあったようですが、嫌ってはいなさそうです。どちらかというとヒロインが引け目を感じてお姉様方と距離を取っていただけですし、お茶会で婿殿(主人公)を紹介した際のヒロインの様子(お姉様へ恐らく初めて意見する)をみて、ヒロインへの評価を改めたのではないかとも思います。

右大臣はちょっと悪役

物語で一番胡散臭いために主人公達の障害になりそうだった右大臣ピリパッパは、王様のほぼ唯一の理解者というまさかの忠臣でした。
主人公達にちょっと陰険な嫌がらせをしてくるのかと思ったらそういう様子もなく、堂々と?始末するよう動いている辺りははっきりと悪い奴でいっそ清々しいし、弱り悩んでいる王様を間違っていないと諭す件は感動すら覚えました。右大臣は、初めから最後まで王様の味方だったんですね。

王様はただの王様

強いて言えば王様が悪役なのでしょうが、私からすると臆病なために虚勢を張っていたという印象で一番人間臭いです。
この話の登場人物たちは、皆、例にもれずスペックが常人より優れているところがあり、やはり物語だなと思うところがありますが、この王様は一番現実にいそうです。ですが、最後は周りに耳を傾けることができる度量があるあたり、やればできる(やはり常人では務まらない)王様だと思います。

族長はおまけ

B国の族長は、悪役というかコミカルなコメディ色の強い子悪党という感じでストーリー本筋ではそんなに重視するような人物ではないかなぁと。ただ彼がいるからこそ全編に渡って穏やかな話にちょっとしたスパイスが聞いているのかな。

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