漫画感想

漫画感想 『忘却のサチコ(1)』 阿部潤(著)

書籍情報

書名:忘却のサチコ
巻数:1
著者:阿部 潤
出版社:小学館
発売日: 2014/12/26

1巻を3行でまとめる

結婚式当日までは完璧な人生を歩んできたサチコ。
でもその晴れの舞台で急転直下、まさかの花婿が理由不明の失踪。
サチコは、美味しいご飯を食べることで忘却しようと努めるお話です。

三行にまとめたものを読むとまさしくそういうストーリーなのですが、サチコの良さが全然伝わりません。
まず『完璧な人生を歩んでいる』とさらっと言いましたが、それはサチコの努力と努力と努力の賜物です。
何事も馬鹿が付くほどの丁寧さで、真面目で、その上に努力を重ねているからこその完璧さです。
決して才能に胡坐をかいているようなタイプではなく、不器用な女性です。

各話の感想

第1歩 開戦のサバ味噌

手紙一つ(しかも人伝)で、高砂に一人残されるサチコ。
私もかつて結婚式を開いた身として、これがどんなに心細いことか想像に難くありません。
いつも通り毅然と振る舞った姿は参列者に何を思わせたのでしょうか。

その後、いつも通り出社したものの空回りを続け、皆に気を使われてついに強制的に帰らされて、ようやく自分がショックを受けていると気が付いてふらっと立ち寄った食堂。
普段はそこまで美味しいと感じなかったサバ味噌定食が、うっかり無銭飲食しかけるほど沁みた気持ちがよく分かります。
張ってた気持ちが徐々に解きほぐれていく様や、その後の後輩ちゃんの『おいしいもの食べてればいいんですよ』に救われます。

第2歩 全力! トルコライス〈長崎〉

客観的にみると心のお仏壇(物理的)ってコメディシーンなのですが、サチコに感情移入しているため「なるほどなぁ」と納得する方が大きかったです。
サチコが真面目に取り組んでいるからでしょうか。

私はトルコライスよりも角煮まんじゅうを推しているので、ぜひそちらでも1話書いて欲しかったです!
トルコライスは、炭水化物モンスターなので中学生の部活あがりでないと無理ですよね。サチコはちゃんと?部活している男子生とに混じって走り込みしているのはさすが(笑)

第3歩 健さんの出所メシ

元ネタが結構古い映画なので、特に若い読者の方は何となくのニュアンスしか分からないのではないかと思います。 そういう私も、映画のダイジェストしか知らないのですが、とにかく姫村先生宅の納戸で己の罪を振り返るサチコが愛しいですね。
どれもこれも罪じゃないから安心してね!と叫びたいです。

第4歩第5歩 決戦! わんこそば

俊吾とのきゅんとする思い出に大打撃のサチコが可愛いです。
わんこそばのところは辛口でいうと二話に分けなくても、いいかなぁ。あ、でも前後編だからこその山田(仮)給仕さんが映える訳ですもんね、悩ましい。

第6歩第7歩 飯ッション イン ポッシブル

ジーニアス黒田先生との戦いなのですが、先生との戦いよりもおにぎりの表現の破壊力がすごかったです。思わず、次の日のお昼ご飯にお握り屋さんに行きましたもん(笑)
私はこの巻で1番好きなお話です。

第8歩 一気喰い!! サンマ塩焼定食

ここまでくると、サチコは旬の食材の美味しさに魅了されています。そこで、強敵?のサンマが。
本当にサチコは真面目で努力の人だなと思いました。
ちなみにサンマに限らず焼き魚を上手に食べられる人って、達人感があって尊敬します。