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  1. 本に関すること

読了 『玉依姫』 阿部 智里 (著)

Book Review

書籍情報

作品名: 玉依姫
著者: 阿部 智里
単行本: 338ページ
出版社: 文藝春秋 (2016/7/21)

はじめに

最後にネタバレを回避しながらの読了後の感想を載せています。なるべく具体的なお話の内容に触れないように気を付けながら書いていますが嫌な方は気を付けてください。
※1ヶ月くらい経ちましたら、細かな感想をあげるかもしれません。

本作は八咫烏シリーズと呼ばれているシリーズの最新作になりますが、シリーズ作品を発表順に並べると以下の通りです。

烏に単は似合わない
烏は主を選ばない
黄金の烏
空棺の烏
玉依姫

実は、まだ全シリーズ作品読めていません。
このシリーズのうち最新作「玉依姫」以外で読了したのは、「烏に単は似合わない」「烏は主を選ばない」です。

既読作品の感想

烏に単は似合わない

エピソードが詰め込まれすぎていて少し窮屈に感じてしまい、そこが勿体ないななんて思いました。ですが、それを差し引いても物語の終盤でやってきたどんでん返しにぞくりと肌が粟立ちました。

このお話は、序盤と終盤でがらりとその様子、もっと言ってしまえばお話のジャンルを変えてしまうんですよね。
物語の序盤は、華やかな王朝ファンタジーかつ王道の恋愛ものかしらとさくさくと読み進めることができます。けれど物語の中盤以降からストーリーの何かに少しずつ違和感を感じて、その不自然さでだんだんと気持ち悪くなっていくんです。

そしてその気味の悪さの正体に気が付いた時、「そうだった、これはファンタジーだけれどミステリーだった!!」と頬を張られた気分で読了しました。

そもそも、私が知っている王朝時代(平安時代)の王道(恋愛)ファンタジーだと勝手に脳がベースを作ってしまっていたんですよね。ストーリー展開のテンプレートとも言うのでしょう、その固定観念が出来てしまっていたためそこからはみ出した想像ができずにどんどん錯覚を起こして見事に著者の方の仕掛けた罠に引っかかってしまいました。

知っているものととても似ているけど実のところ全然違うって一番厄介です。

烏は主を選ばない

1作目よりも読みやすかったなと思ったくらいです。
決して2作目が面白くないというわけではなく、1作目のインパクトが強すぎて霞んでしまったという印象です。

他のシリーズ作品が未読である理由

実は特に理由はないです。
強いてあげるなら、私は今一つ世界観が掴めていなかったために一作読む度に他の作品を読み返して確認していく必要があるんですよね。あるいは同じ作品内でも、あれってどうだったっけ?となってページを巻き戻して何度も読み返します。それで、時間がかかってしまって3作目にたどり着く前に目に留まった新作の5作目を手に取ってしまったという感じです。

少しだけ「玉依姫」の感想

以下、なるべく物語の核心に触れないように感想を書いていますが、嫌な方はそっと戻るボタンや閉じるボタンを押してください。

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本作は、舞台が現代日本と他のシリーズ作品とは舞台ががらりと違います。
何よりシリーズ5作品目にしてヒロインもついに人間の女の子(!)と随分と毛色も違います。ですので、他のシリーズ作品を読んでいなくても問題ないかなと思いました。また1作目では、登場キャラクターの口調が気になるというレビューをちらほらみかけましたが、今回は主人公が人間の女子高生なのでそんなに違和感を感じませんでした。

これでシリーズのうち3作品を読み終えたことになりますが、個人的に一番読みやすかったです。
読みやすかった理由として、

  • 他のシリーズ作品よりも登場キャラクターが少ないので各キャラクターへ注意を払いやすかったこと
  • 私が既刊の2作を読んでいたので物語の世界観の下地がある程度できていたこと

また、そもそも1作目が著者のデビュー作ということでしたので5作目ともなると良い意味で書き慣れてきたのかなとも思います。

さて、いつもこのシリーズにはどんでん返しであっと言わされている私ですが、今回はようやく結末の予想が1つ当たっていました。ミステリーは推理することも醍醐味ですし、それが的中したときの高揚と言ったら!ちなみにこの当たった予想とは、今はまだ、山神様に関する予想とだけ書いておきますね。

まとめ

この著者の方は、人間観察の鋭い方なのかなと思います。とりわけ女性キャラクターの造り方がすごいなと思います。悪意なき悪意というか、優しげでいて本当のところは自分のことしか考えていない女性を描くのが本当に上手です。

現実に自分の傍にいたらお引き取り願いたい、そんな『嫌な女』が見事に描かれています。

ですので、どうしても読了後に後味の悪い思いをしてしまいますが、私はこれはこれで読書したという満足感を得られます。

 

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