好きなものを好きなだけ

  1. 本に関すること

漫画感想『BEASTARS (1)』 板垣巴留 (著)

Comic Review

書籍情報

作品名:BEASTARS
巻数:1巻
著者:板垣巴留
出版社:秋田書店
発売日:2017/1/6

 

退廃的な美しさとどことなく色気を感じる画

「擬人化した動物による高校生ライフを描いた作品」という触れ込みだったので、彼らのたまにシリアスもあるけれど基本ほのぼのとした青春群像劇が読めるのかなと思っていたらまさかまさかのダークファンタジー。

いえ、ファンタジーではないかも。

舞台は擬人化動物が生きる世界なのでそういった意味ではファンタジーですが、肉食獣と草食獣が共存する世界は表向きは平和なのですがちょっと端に目を向けると歪な世界で、その中で自身の本能やコンプレックス、思春期にもがく高校生たちのお話でした。どこもかしこも現実世界のメタファーのように感じます。少し物事を斜めに解釈しながら読むとものすごく世を皮肉っているようにも思います。

 

【スポンサーリンク】



 

何かに犠牲を強いる平和な世界

初っ端から草食獣の高校生が顔見知りらしい獣に食殺されるというショッキングなシーン。

そしてこの事件において草食獣より向けられる蔑みの視線に慣れている肉食獣たち。

広義で犯人と恐らく同族ではあっても九割以上はとばっちり。肉食獣たちはこんな視線を向けられることに慣れてはいるんでしょうが、同時に傷ついているようにみえます。このシーンだけ見ても食物連鎖の上位の彼らが一方的に我慢しているようにみえますし実際そういう世界なのでしょう。

実力行使すればあっという間に片づけられる(物理的に)のに、それをせずにしょんぼりして受け流していく。

弱者を守るために草食獣たちを優遇した(優位に立たせた)世界の決まりは一緒に生きていくためには必要な措置だとは思うけれど、本能はそうそう抑えきれるものではないと思います。身体スペックが高い肉食獣ほど自分を押し殺して生きなければならないはずですが、本能を抑えるってどれだけのストレスがかかることなのでしょうか。

草食獣たちにしても自分たちを食べる可能性のある存在と一緒に生きるのは、終始、命のやり取りをしているようなものですし攻撃的にもなるでしょう。肉食獣たちが決まりを守っている限り襲ってくることがないことを知っているからこそ口撃してストレス発散しているようにもみえます。

ただキリン、象、バッファロー、馬、ダチョウ、鹿、この辺りは体も大きくまた強いのでそこまで肉食獣に怯えなくても良いし、小型肉食獣の方がむしろ大型草食獣を恐れているのではないかと思うのですが、本能的なものなのか草食獣・肉食獣で足並みをそろえているのか。足並みをそろえているとして草食獣たちが全体的にどことなく性格が悪く見えるのは、そうでもしないと本能的に生き抜けない環境下であるとも言えますね。

対して肉食獣たちは生まれながら圧倒的な力があるため、我慢はしても卑屈にならなくて済むので案外素直に育つのかな。

そんな中、ものすごく自己評価の低い主人公はどうしてなのか。

大人しい性格であっても、こんなに自己否定する要素はないはずなのですが、それだけ潜在能力を抑圧しているのでしょうか。

 

【スポンサーリンク】



「肉食」ができなくても我慢

肉食獣たち、本当に忍耐強いなぁ。

どこかで糸が切れたらそこで終わってしまう。

お互いに仲良くやっていきたいという意思があるから成り立っている訳ですが、誰かの犠牲で成り立っている世界はとても危ういんだなということが良く分かります。折り合いをつけないといけないのが、生きるために不可欠な「食」ということが払う代償も歪みも大きい要因でしょう。

 

主人公のレゴシが好き

初登場は、何を考えているのか分からず正直不気味で、犯人はレゴシでそれを隠しながら高校生活を送るといったストーリーなのかと思っていました。結果は、ただただ友達思いで自分の力が他人を脅かすことを自覚し、それを嫌悪しながら生きている不器用で繊細な子でした。本能が理性を越えてもひとまず戻ってこられてよかったと思うのですが、苦悩の日々の始まりが十分に予言されていて、この漫画はやすやすと主人公を幸せにせず読むのは苦しいけど読まずにはいられないタイプだなとわくわくしています。

オオカミだからかスタイル抜群でなかなかのイケメンに見えるのは私だけ?

ただ自分が悪く言われようと亡くなった友達の気持ちを慮って不名誉に甘んじる姿は格好良くもあり、一方で誤解され嫌われることに慣れ諦めているのが哀しい。

 

ランキングに参加しています
にほんブログ村 漫画ブログ 漫画感想へ
にほんブログ村

 

【スポンサーリンク】

本に関することの最近記事

  1. 【FLOWFUSHI (フローフシ)】 SAISEIシートマスク ほうれい線・口角

  2. 漫画感想『将国のアルタイル 』 (2) カトウコトノ(著)

  3. 漫画感想 『イトウ先生、授業の時間です。 美術教師と生徒たちの、かみあわない日々』 イトウ…

  4. 漫画感想『百貨店ワルツ』マツオ ヒロミ (著)

  5. 普通の服でお洒落に、私のお洒落バイブル

関連記事

スポンサーリンク




カテゴリー

カレンダー

2018年6月
« 5月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ブログ運営者

くるりがブログ運営しています。
何かご連絡が必要でしたら、手紙マークのアイコンからお気軽にどうぞ。

ランキングに参加しています
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 二人暮らしへ
にほんブログ村 漫画ブログ 漫画感想へ

PAGE TOP