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漫画感想『空挺ドラゴンズ(2)』 桑原太矩(著)

Comic Review

書籍情報

作品名:空挺ドラゴンズ
巻数:2巻
著者:桑原太矩
出版社:講談社
発売日:2017/5/1

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この巻は、タキタとジローというクィン・ザザの年少ズの羽化がメインのお話。

 

画で魅せるってこういうこと

龍の解体のシーンや戦闘では、数ページ殆ど台詞や文字による説明がありません。

でも、その熱気が伝わってくる。

ぐいぐいと引き込まれていく。

文字があるとかえって勢いや臨場感を殺してしまうというのが良くわかります。

さらにここぞという場面にこの無音を使ってくるのが、にくいですね。

 

タキタの五月病?

燃え尽き症候群という方がしっくりとくるかも。

初めての解体作業も終わり、しばらくぶりの陸の生活を送ることになったので、今までの張りつめていた気持ちの行き場がなくなったというか、燃え尽きてしまったというかそんな感じを受けます。

そんなタキタをミカは千剖士の一族の族長のところへと連れていきます。彼の住まうテントの壁一面の壁飾りは、これまで狩った龍の革を加工したもの。狩る度にそうやって残していくのは、なんていうんでしょう。丁寧に歴史を積み重ねていくということの表れですよね。

そして龍はただ捕る対象ではなく敬うものでもある、ということきちんと描きたかったんだろうなぁと思います。

ただ何代にもわたって壁掛けを作っているのであれば、ちょっとタペストリーの数が少ないような。。。古いものはどこかに大事に保管しているんだろうと思うことにします。

ミカは、タキタを心配して連れてきた訳ですがのが、彼女は自分が初めて解体した竜革を使ったナナミ(千剖士の一族の女性)が作るタペストリーづくりの作業に魅入られ、途中からは作業を手伝い、最後の方にはいつもの調子に戻っていきました。

過去から今まで積み重ねた集大成のタペストリーを見て、自ら作ることで自分が歩いている道を再確認できたのでしょう。

その様子をみていたミカがちょっと釈然としない顔をしていましたが、なんだか妹を心配するぶっきらぼうなお兄ちゃんという感じで微笑ましかったです。

 

うんうん、やっぱりタキタはそうじゃないと!

 

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レシピは龍肉だけじゃないんだね

今回は、龍の要素が全くないぶどう飴や龍革のタペストリーといったもはや食べ物じゃない物までレシピ紹介されていました。

もちろん龍肉を使ったレシピも登場します。ミカが我慢できずに齧り付く龍肉のカツレツもいいし、落花生多めが美味しいとの手延べ汁麺も食べてみたい。欲を言えば、千剖士の一族の伝統料理(とっておきのやつ!)とか登場するともっと良かったなぁ。

一番食べたいなぁと思ったのは、市の復興作業の炊き出しで振舞われていたそれぞれの家が一家言を持つ芋煮(当然龍肉入り)。どことなく温かみを感じていいなぁと思いました。同じ料理なのに無数のレシピがあるってそこで色々な人が生活しているって感じがします。

一家言あるのに、龍肉は何でもいいという大雑把さも大らかな家庭料理にぴったりです。

 

ジローの初恋と地上決戦

ただただにやにやしました。

男の子ってやつはいつだって好きな子の前ではいい恰好したいんだなぁと。生真面目なジローだって好きな子の前になるとあんなにいきいきとなったり、はりきるのかとちょっと面白くもありました。

そんな彼の事情を知ってか知らずか、ううん、知らずともその思いに応えてくれる仲間がまたいい。ヴァニー姉さんは色々と気が付いているのに静かに見守っているのもさり気なくジローの味方になるのも素敵。

 

ジローを舞い上がらせているカーチャは同じようにジローに惹かれていますが、「自分の現実」に後ろ髪を引かれてジローのように素直に楽しめません。時が来れば魔法が解けてしまうことを知っているシンデレラのようです。これは同じ年頃だと女の子の方が精神年齢が高く、また境遇がそうさせるのかもしれないです。ジローもどこかで分かっているけど、それでも口にしようとしてカーチャに止められている辺り大人ではなかったですね。

 

今回の巻のクライマックスでもある龍との地上決戦も迫力があって見ごたえがあります。

空での戦いは、壊れるのは船だけだけど地上だと容赦なく建物は崩れ、地面がえぐられていく。

地上決戦の方が身近に感じやすいからか少し怖かったかなと思います。空は誰か振り落とされやしないかとはらはらする方が強いのですが、今回は、誰かが致命的な怪我をするのではないかとひやひやしました。案の定ミカが大出血していましたが、彼にとって龍が狩れることの前には些末な事のようでした。周りはたまったもんじゃありませんね。

 

地上決戦ですが、

今回もミカがとどめを刺すのかと思いきや、お、これはジローが持っていきそう、いいよいいよー。

え?え?

ジロー、まずいよ逃げて!!!

!?

あ、クィン・ザザ(カペルさん操縦)が全部持って行った(笑)

 

ここでジローがヒーローだとちょっとできすぎですもんね。だからといってミカではなくクィン・ザザが出てくるとは思いませんでしたが。

いよいよ出立の日の朝を迎え、市から外に出たことがない(出られない)カーチャのためにオートジャイロの運転練習を重ね、最後に市の外を見せる空のデートでのやり取りやジローの髪を整えた際にカーチャがこっそりと手元に残した彼の髪の毛を大事に大事にそっと掌に収めている姿が甘酸っぱくも切なかったです。「魔法は解けてしまうけど、夢じゃなかったよ」と言ってあげたいし、きっとカーチャもわかっているんだろうなと思いました。

 

初恋は実ったけど叶わなかったという結末ですが、最後に髪を切ったジローが少年から青年へ一歩を踏み出した姿を見て、彼らの今後にエールを送りたい気分です。

 

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